今の時期は、仕事のうえでは異動や転勤、学業に関しては入学や卒業など、社会の動きが大きい時期です。新しい年度に向けてさまざまな計画や目標を立てておられる方もいらっしゃると思います。
この時期の私たちの関心は、動きの大きな外の世界に向きがちですが、私はあえて内側(家庭)に目を向けたいと思うのです。
私は仕事柄、多くの崩壊に瀕した、あるいは実際に崩壊した家庭と接します。疲れる仕事から帰ってきて、本来は心身を休めるはずの家庭が争いの場となっていては、英気を養うどころではありません。生活の基盤が危うい状態では、厳しい外での仕事に影響が出てしまうのは避けられないと思います。
離婚した家庭の多くは母子家庭となります。そして、その多くは経済的な困難に直面しています。この豊かな日本でも、経済的な理由で進学をあきらめざるを得ない方々がいます。社会の基盤である家庭が危うくなると私たちの社会生活にも大きな影響を与えますが、母子家庭は増加の一途をたどっています。
そこでいつも思うのは、聖書の言葉に耳を傾けていただきたいということです。例えばコロサイ人への手紙3章にはこのような言葉があります。
「妻たちよ。主(神)にある者にふさわしく、夫に従いなさい。」(18節)
「夫たちよ。妻を愛しなさい。つらく当たってはいけません。」(19節)
私は夫婦のそれぞれがこの二つの言葉に従うだけで、私のところで扱っている夫婦問題のほとんどは解決するのではと思っています。もちろん異論もあるでしょう。それはこの言葉が、現代の私たちにとっては古い価値観のように思えるからです。
しかし、聖書の言葉は信じて従おうとする者には、問題を解決する新しい力を与えます。もしこの古い聖書の言葉が、現代社会の最も困難な問題を解決する力を持っているならば、それは今も生きて働く新しい言葉なのです。聖書にはこの他にも家庭や子育てに関するたくさんの大切な言葉が書かれています。一人でも多くの方が、聖書の言葉に耳を傾けることができますように。
(2016年 通巻226号)
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