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「あなたの土台は?」


私の仕事は高校教員で、現在高校3年生の担任をしています。高校3年生は大学進学に向けての受験勉強があり、そしてその受験指導は、受験生を受け持つ担任の重要な仕事のひとつですが、生徒の一人が目指している大学の推薦入試の事前小論文課題に「自分が関心のある世界的な問題をひとつ取り上げ、その解決策をグローバルな視点とローカルな視点で述べなさい」というものがありました。その生徒の選んだテーマが「貧富の格差」で、私自身もその問題については関心があったので、良いテーマを選んだと思っていたのですが、いざグローバルな視点とローカルな視点で解決策を論じるとなると、殊の外その指導に苦労しました。問題そのものの原因が多岐に渡るということもありますが、一番の要因はやはり私の知識不足でした。普段新聞やニュースで目にして関心を持っているつもりでも、世界規模で起きている問題には長い歴史の中で根深くなってきたものが多く、土台としての歴史的背景をきちんと知らないと、中身のない上滑りな議論になってしまいます。

 聖書の中に「家と土台」をテーマにした箇所があります。マタイの福音書第7章24節に「そこで、わたしのこれらの言葉を聞いて行う者は皆、岩の上に自分の家を建てた賢い人に似ている。雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家を襲っても、倒れなかった。岩を土台としていたからである。わたしのこれらの言葉を聞くだけで行わない者は皆、砂の上に家を建てた愚かな人に似ている。雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家に襲いかかると、倒れて、その倒れ方がひどかった」と書かれています。前段の私の話はほんの一つの例ですが、もし私たちが自分たちの人生において、生きる拠り所となる土台がないとどうなってしまうでしょう。人生を揺るがすような大きな問題が起こったとき、嵐が吹いた時の砂上の家のように、私達はいとも簡単に崩れてしまうでしょう。けれどもしっかりとした土台があれば、どんなに大きな問題が起こっても、惑うことなく前向きに生きることが出来ます。聖書が語る神様の御言葉に耳を傾け、そしてそれを実行することで、私たちの人生は確固たる土台の上に立つ豊かなものとなります。


(2017年 通巻263号)



 
 
 

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