いのちが一番大切だと 思っていたころ
生きるのが苦しかった
いのちより大切なものが あると知った日
生きているのが 嬉しかった
本年7月5日~7月17日まで開催されました「星野富弘展・花の詩画展in札幌」が多くの思い出と感動を残しつつ幕を閉じました。この詩画展のテーマは「いのちより大切なもの」でした。多くの人が足を運んでくださいましたが、人それぞれに心に残る詩画との出会いがあったようです。
筆者の友人の一人は、仕事上での様々な悩みや問題がある中で、一つの詩画と出会い、心から感銘をうけ、励まされたと話しておりました。それは「サフラン(悲しみの意味)」の作品でした。人は皆、自分の過去から現在まで、人生を歩んでいます。しかし、心の奥底に潜む「沈黙の宝物」が、出会いによって揺り動かされ、涙とともに胸にこみ上げるものとなったようです。
先日、新聞の中に、日本の「自殺」に関する記事を見つけました。全国の20才以上の男女約4万人を対象とした自殺に関する調査結果です。その中で、4人に1人に当たる25.4%が「過去に本気で自殺したいと思ったことがある」と回答。また全体の6.8%が「過去に自殺未遂をしたことがある」との回答でした。続いて新聞には「依然として社会に自殺リスクが潜む実態が浮き彫りになった」と書かれていました。
社会の中で、家庭、学校、職場において、死にたいと思うほど暗闇になっている心の状態があります。それは「不安と恐れ」です。星野さんは「いのちより大切なものがあると知った日、生きているのが嬉しかった。」と語っています。あなたにとって「いのちより大切なもの」とは何でしょうか。暗闇に打ち勝つ「光」はないのでしょうか。
詩画展は終わりましたが、ぜひ星野さんの詩画集を手にとって読んでいただきたいのです。そして与えられた命を大切にして、価値ある人生を歩んでいただきたいのです。
「この希望は失望に終わることがありません。」(ローマ5:5)
(2016年 通巻248号)
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