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「くじに当たったとしたら」


 先日、スーパーの宝くじ売り場の前で、「この売り場から、1等、1223万円が出ました」という看板を見ました。見たとたん、「いいな!」と思い、私が当たったら、そのお金をどのように使ったらよいか想像し始めてしまいました。皆様も、このような想像をしたことがあるのではないでしょうか。

しかし、その数日後、新聞で宝くじの1等を当てた方についての記事を読んで、当たらない方が良いと思いました。記事によると、パン屋さんであったその方は、くじに当たる前は、安定した生活を送っていました。しかし、くじに当たってから、生活が段々乱れていきました。あるサッカーチームのボックス席や競走馬を買ったり、ギャンブルをしたり、多くの豪華なパーティーを開いたりしました。その結果、アルコール依存症になって、仕事と多くの友人を失い、奥さんとも離婚してしまいました。また、詐欺師に狙われて、多くのお金をだまし取られてしまいました。結局、くじに当たってから5年も経たないうちに、全ての財産を失い、失意のうちにその方は亡くなったようです。

聖書には「初めに急に得た相続財産は、終わりには祝福されない」(箴言20:21)とあります。本当にそうなのだろうかと疑いたくなるような言葉だと思いますが、さきほどの話を考えると知恵のある言葉です。聖書の言葉は資産を相続することを批判しているわけではありません。資産を急に得ることが問われています。自分の力で資産を得ると、その資産の価値が分かり、上手にそのお金を使う方法を身に付ける余裕があります。けれども、急に資産を得ると、その資産の価値を理解することが難しく、突然今までなかった多くの誘惑に直面することになります。

職場での生活にも、この考え方を当てはめることができます。どんな職業であっても、手っ取り早い方法を取り、すぐに良い結果を出そうとするという誘惑がいつもあります。上司にプレッシャーを受けるとその誘惑が大きくなっていきます。しかし、そうすれば、基礎がしっかりと出来ていないので、いつか、問題が起こります。ゆっくりとした確実なアプローチが良い結果につながると聖書は教えています。


(2013年 通巻97号)

 
 
 

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