川崎市で、中学校1年生の少年が殺害された事件がありました。殺害された少年の家庭は、ひとり親家庭で、母親は働いて家計を支えるため、子どもの様子を十分に見ている時間がなかったと悔やんだと報道されています。
このような事件が起こると、まずは親の責任を問う声が、そして周囲の大人や学校、行政などの責任を問う声が上がります。なぜ事件を防ぐことができなかったのかという原因の究明が行われ、具体的な対策が試みられます。確かにそれらの究明や試みは大切なことだとは思います。
ただし、その過程の中で、「なぜひとり親家庭であったのか」という点についてはあまり触れられていないようです。今回の川崎のご家庭や、個々のご家庭について、安易に憶測したり批評したりすることは適切ではありません。ここで問題提起しているのは、ひとり親家庭が抱えるさまざまな課題を考える際の一般的な傾向なのです。ひとり親を支える制度ばかりが問題にされ、そもそもの結婚関係を継続することの大切さについて、あまり語られないことは残念だと思うのです。
イエス・キリストは結婚についてこのように教えました。「(結婚した男女は)もはやふたりではなく、ひとりなのです。こういうわけで、人は、神が結び合わせたものを引き離してはなりません。」(マタイ19:6)
聖書は、結婚は人の幸せのために神が定められた制度で、夫婦関係が重んじられなければならないと教えています。結婚によって生み出される家庭は、互いを支え、次の世代を生み出し、社会を構成する基本的な単位となる大切なものです。この大切な夫婦関係が壊れることから、さまざまな問題や不幸が生み出されます。
聖書は結婚の大切さを教えるばかりではなく、その結婚を継続するための実際的な知恵をたくさん教えています。その知恵についてお知りになりたい方は、HFBの聖書研究サービスを利用されてはいかがでしょうか。
(2015年 通巻186号)
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