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「まず自分の目から梁(はり)を取りのけなさい」


 以前に、あるご夫婦のお話をうかがう機会がありました。お互いに相手を攻撃して夫婦の関係は危機に瀕していました。しかし、離婚はしたくない。とは言ってもどうしたらよいのか分からず途方に暮れている・・・。そのような感じでした。

 職場でも同じようなことがあります。人間関係が悪くなって職場のチームワークに支障を来したり、仕事がスムーズにいかなくなるのは珍しいことではありません。一度こじれてしまった関係を修復するのはとても難しいものです。私たちはこのような問題にどう対処したらよいのでしょうか。

 以前学んだある聖書の言葉を思い出しました。

 「あなたは、兄弟の目にあるちりが見えながら、どうして自分の目にある梁(はり)には気がつかないのですか。」(ルカ6:41)

梁は大きな木材です。これは聖書の中にあるユーモアのひとつです。自分の側の大問題は置いておいて、相手の欠点ばかりを大きく見ることのたとえです。つづく聖書の言葉は、そのような私たちがとりがちな態度と反対の態度を勧めています。「自分の目にある梁が見えずに、どうして兄弟に、『兄弟。あなたの目のちりを取らせてください』と言えますか。偽善者たち。まず自分の目から梁を取りのけなさい。そうしてこそ、兄弟の目のちりがはっきり見えて、取りのけることができるのです。」(6:42)

私たちは自分ではなくて、相手の方を変えようとしかちですが、相手を変えることは容易なことではありません。変わらない相手を見てイライラが募り、イライラはやがて相手への怒りや攻撃に変わっていきます。

ここでは、まず自分の問題に目を向けることを勧めています。自分の問題を理解してから相手に向きあうという順番です。相手ではなくまず自分の問題を見つめること。そして自分から変わること。変わろうとしてもなかなか変われない自分を反省し謙遜になること。真の問題の解決はここから始まる気がします。


(2016年 通巻222号)

 
 
 

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