top of page

「もしの場合に備える」


7月18日朝、高齢者が活躍できる社会の在り方について大きな影響を与え、「生きかた上手」というミリオンセラーを執筆した日野原重明さんが天に召されました。積極的に生き抜いた人生の先輩である日野原重明さんについて、もっと知りたいと思い、日本の新聞の記事と外国の新聞の記事を幾つか読んでみると、興味深い事がわかりました。

日野原さんは、聖路加国際病院の院長や理事長、国際内科学会や国際健診学会の会長などを務めました。また、本だけではなく、ミュージカルの脚本も書いたようです。けれども、熱心なクリスチャンであった日野原さんから、今回一番教えられたことは、病院経営に関する出来事です。「The Japan Times」 によると、1994年に院長となった日野原さんは、病院のすべての病棟はもちろん、廊下やチャペルに至るあらゆるところに、酸素吸入器具を設置しました。それは、東京都に大地震が起きた場合の備えであったようですが、その準備のおかげで、地下鉄サリン事件が起きた時、事件から2時間以内に640人もの被害者の治療ができたそうです。とても知恵のある備えであったと思うと同時に、この聖書の言葉を思い起こしました。

「利口な者はわざわいを見て、これを避け、わきまえのない者は進んで行って、罰を受ける。」(箴言22:3)

やはり、「知恵」の大切な側面は、将来起こり得るトラブルに備えることです。一般的に職場では、火事や地震等の災害や機械が故障した場合の備えはすると思いますが、私の経験では、しばしば起こるにも関わらず、人間関係が上手くいかない場合の備えは、あまりされません。実は先日私は、同僚と共に、あるチーム訓練を受け、同僚と衝突してしまった時、自分はどのような行動をとるか、また、注意を受ける時に、どのように注意されれば受け入れやすいかなどを考えさせられ、同時に、同僚の考えも聞くことができました。とても有益な話し合いで、今後もし、関係が難しくなってしまった時には、相手にとって受け入れやすい言い方や行動を取ることで、トラブルを避けることができると思いました。

聖書によると、人生において最も必要な備えは、神様に出会う事です。前もって備えると嬉しい出会いになりますが、備えなければ、悲しい、裁きが伴う出会いとなります。すべてのトラブルを避けることはできませんが、知恵をもって、避けられる災いを避けたいと思います。


(2017年 通巻285号)

 
 
 

Comments


© 2018 札幌希望の丘教会. Wix.com

bottom of page