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「やる気を引き起こすには」


 最近、「他の人の場合は問題ないが、ある部下の管理に困っている」と話してくれた友人の言葉から、人を管理(監督)することの難しさについて考えさせられました。

現在の日本でも、人の管理のあり方が注目されています。大阪桜宮高校の体罰事件の影響は全国に広がっており、深刻な問題となっています。このパンフレットで、そのような複雑な議論に終止符を打つことは出来ません。けれども、聖書の言葉を参考にして、相手のやる気を引き起こす方法を考えてみましょう。

「人の心にあるはかりごとは深い水、英知のある人はこれを汲み出す」(箴言20:5)。 

確かに一人ひとりの心の中にあることは深い水のようです。それ故に、管理・監督が難しいのです。ある人にとって良い刺激になったことが他の人にも有効とは限りません。また、一度効果的だった方法が、他の時には、逆効果になることがあります。

管理者には「英知」が必要です。聖書の中で「英知」と訳されている言葉の元の意味には「洞察力」という意味が含まれています。洞察力は相手の心を理解するために必要です。管理の対象は、仕事自体より、仕事をしている人です。ですから、管理者は、管理される人のことをできるだけ詳しく知る必要があります。相手の心を少しでも理解すれば、やる気を引き起こすためのヒントが得られます。

例えば、上司は部下のモチベーション(動機)を考える必要があります。同僚に評価されることを大切にする人もいるし、評価されなくても仕事を正しく行うことを楽しむ人もいます。また自分は大切な役割を果たしていると思えば、上手に動ける人がいます。このようなことが分かれば、やる気を引き起こせる可能性が高くなるでしょう。

相手の立場に立って、その人にあう監督方法を用いることは、効果的なだけではなく、相手の存在を大切に思うことでもあります。これは、キリスト教が大事にしている「愛」の一つの表れなのです。普通「愛」は「ビジネス」と関係があると思われませんが、キリスト教主義では大いに関係があるのです。愛に基づく監督方法が普及されれば、体罰の問題の一つの解決にもつながるはずです。


(2013年 通巻 89号)

 
 
 

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