上司の移動や退職で、過去に面識の無い、全く知らない人が、新しい上司として間もなく赴任して来るという時は、複雑な気持ちになるものです。緊張感、期待感、その他色々あるかもしれません。おそらく、どんな気持ちになるかは、それまでの職場のあり方や、そこでの人間関係などによるでしょう。
たとえば、最近の会社全体や配属先の状態がうまくいっていたのなら、そこに新しい人が加わることによって、何か問題が起きないかという心配をするかもしれません。逆に、「このままだと、もうダメだ」のような状態が続いていたのなら、改善を期待する気持ちをもって、新しい上司を迎えるかもしれません。
また、前任者が職場で大きな影響力を持っていた人であれば、働きやすい環境を失うのではと、心配するかもしれません。しかし一方で、前任者と馬が合わなかった人にとっては、ゼロからのスタートはとても望ましいことでしょう。
全世界を治める新しい支配者が間もなく来るというニュースがあるとしたら、(ちょっと想像してみて頂きたいのですが)同じようなことがあるかもしれません。「この世は、このままで良い」と思っている方々にとって、新しい統治者は望ましくないでしょうし、「この世は確かに荒廃している」と思っている方々の中には、正しい調和がとれた世界を取り戻して欲しいという願いから、新しい統治者を歓迎する人がいるかもしれません。
聖書のイザヤ書11:4-5では、この世界の新しい支配者について、次のように述べられています。
「正義をもって寄るべのない者をさばき、公正をもって国の貧しい者のために判決を下し、口のむちで国を打ち、くちびるの息で悪者を殺す。正義はその腰の帯となり、真実はその胴の帯となる。」
西欧では、クリスマスの前の4週間を「アドベント」と呼んでいます。この「アドベント」という言葉は、「アドベンチャー(=冒険)」と同じく、ラテン語の「到来」を意味する語が由来となっており、イエスの誕生を祝うクリスマスの「到来」を待つと同時に、クリスチャンが期待しているイエスが再びこの世に到来することを覚え、待ち望む時期なのです。 読者の皆様にとって、良いアドベントと年末になりますように。
(2015年 通巻214号)
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