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「ジョン・F・ケネディが尊敬した日本人」


かつて35代アメリカ大統領に就任したジョン・F・ケネディは日本人記者からの「あなたが、日本で最も尊敬する政治家は誰ですか」という質問を受けたことがあります。それに対し、ケネディはこう答えたと伝えられています。「上杉鷹山(ようざん)です」。

鷹山は今から約250年前の米沢藩(現在の山形県南部)の藩主です。その時代の米沢藩というと、経済的に危機的状況に陥っていました。藩は莫大な借金を背負い、年貢の多い領民は日々の食事にも欠くようになり、藩外へ逃げ出す人が相次ぐ状態でした。そんな米沢藩を救ったのが鷹山です。

さて、鷹山はどうやって米沢藩を救ったのか?まず、鷹山は藩主としては考えられないような倹約に自ら取り組み、そして藩全体の経費削減を実行します。しかし、経費削減だけでは莫大な借金は返済できません。そこで鷹山は藩の経済を再建することを目標に、養蚕・製糸・織物・製塩・製陶などの産業の開発に取り組みました。いずれの産業も成功を収め、米沢藩の財源となっただけでなく、やる気を失っていた領民に生きる希望が与えられました。更に鷹山は将来の領民が困らないよう優秀な人材育成のため「興譲館」という学校を創設するのです。現在の通貨換算で約200億円もあった借金は33年かけて返済され、そして領民に笑顔が戻ったのです。

では鷹山はなぜここまでできたのか?それ以前の藩士はみな自分のことしか考えず、優雅な暮らしを続けてきました。しかし、鷹山は自分のことより領民のことを一番に考え、領民に尽くしてきたのです。その証拠に鷹山が改革を進めた間、領民からの税金や年貢を増やすことを一切しなかったのです。

「あなたがたの間で偉くなりたいと思う者は、みなに仕える者になりなさい。」(マタイ20:26)

会社や部署の業績や職場環境の改善を考えるなら、後輩や部下のことをもっと考える必要があるのではないでしょうか。


(2015年 通巻193号)

 
 
 

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