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「パンデミックの歴史を振り返る」


 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)が続いています。この原稿を書いている時点で、第3波の只中にあり、未だに収束の見通しは立っていません。ここで歴史を振り返ってみますと、ペストやスペイン風邪といった感染症が、全世界に影響を及ぼしてきたことが分かります。


 ペストは何回も流行を繰り返していますが、中でも14世紀に起こったパンデミックでは「黒死病」と呼ばれました。世界史の教科書には「西ヨーロッパの人口の約3分の1が失われた」と書かれています。それによって、西ヨーロッパは中世から近世へと、時代が動いていくことになります。


 また世界人口の約30%が感染したと言われるスペイン風邪は、新型インフルエンザであったことが分かっています。1918年から1919年にかけて第1波から第3波まで感染拡大を繰り返し、第一次世界大戦の終結を早めたとも言われます。


 現在パンデミックを起こしているウイルスも「新型」ではありますが、感染症との戦いは同じように繰り返されてきたのです。旧約聖書には「昔あったものは、これからもあり、かつて起こったことは、これからも起こる。日の下には新しいものは一つもない。」(伝道者の書1章9節)と書かれています。


 一方、「すべてのことには定まった時期があり、天の下のすべての営みには時がある。」という言葉もあります(同書3章1節)。パンデミックもいつかは収束を迎えるでしょう。歴史には、繰り返すという側面と、過去から未来に向かって直線的に突き進んでいるという側面があります。一見、同じことの繰り返しのように見えますが、らせんを描くように歴史は進んでいるのです。時は戻らないものですから、一日一日が貴重であり、意味があります。しかし、まったく新しいわけではなく繰り返すからこそ、過去を反省してやり直すチャンスがあるのです。


 このパンデミックの先に何があるのか、不安は尽きませんが、何千年もの歴史の審判に耐えてきた聖書には、たくさんの知恵が書かれています。聖書の言葉を現実に活かすことで、この歴史的なコロナ禍を生き抜くヒントが必ず見つかると思います。この時代にも聖書をおすすめします。


#(2021年 通巻398号)



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