最近、3000年前のイスラエルの歴史を聖書で読んでいると、ダビデというイスラエルの偉大なリーダーのことが書いてあり、リーダシップの土台は何であるべきかと考えさせられました。その話は第2サムエル記3章に書いてありますが、ここで、短く説明します。
イスラエルは内戦状態に陥って、悲惨な状況になっていました。内戦のきっかけは、イスラエルのある民族はダビデを王として認めていましたが、別の民族はイシュ・ボシェテを王として認めたために国が二つに分裂していました。
しかし、時間が経ったら、イシュ・ボシェテの家来で、偉大な将軍として評価されていたアブネルが、イシュ・ボシェテを応援していたイスラエルの長老たちを集めて、これからはダビデを王として認めるように提案し、説得しました。そして、ダビデがいるところまで行って、その話し合いの結果を伝えます。アブネルはダビデと和解し、安心して帰るようにダビデに言われたので、もう攻撃されないと思い、帰りました。しかし、ダビデのある家来はアブネルが戦いで自分の弟を殺したので、どうしても復讐しようとし、アブネルを密かに殺害します。その出来事はイスラエルに危機を招きます。内戦が治まりそうな頃でしたが、アブネルの無事な帰りを待っていた長老が、アブネルがダビデの家来に殺されたと分かったら、裏切りだと思い込んで戦い続けるようにと決める可能性が高かったからです。危機を感じたダビデはすぐ動き始めて、自分がアブネルの死と一切関わっていないことを言葉と行動で力強く表します。
聖書には次の言葉があります。「悪を行うことは王たちの忌みきらうこと。王座は義によって堅く立つからだ。」(箴言16:12)「義」とは、正しい言葉と行動、考え方を意味します。ダビデが確かにこのこと、すなわち自分のリーダシップの土台は義であることを理解していたのです。ダビデの応答のおかげで、イスラエルの人々はダビデがアブネルの死に関わっていなかったことを納得し、とうとう内戦は終息に向かい始めます。
この話を考えてみて、自分のリーダシップの土台はどんな状況にあるでしょうか。「義」を本当に理解するには、聖書を学ぶことをお勧めします。
(2014年 通巻161号)
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