前回は、紀元前1400年ごろの出エジプトという出来事から、リーダーに求められる資質について考えました。
老若男女からなる200万人もの大集団を率いたモーセという人物が、非常に謙遜な人物で、しゅうとイテロの次の助言を直ちに受け入れ、改革を実行し、ふさわしいリーダーを立てて、権限を委ねていったことを見ました。
「あなたは・・・、民全体の中から、神を恐れる、力のある人々、不正の利を憎む誠実な人々を見つけ出し、千人の長、百人の長、五十人の長、十人の長として、民の上に立てなければなりません。」(出エジプト18:21)
今回は、立てられる側のリーダーの資質について考えたいと思います。「千人の長、百人の長、五十人の長、十人の長」とは、現代で言えば「部長、課長、係長」などにあたるかも知れません。
まず「神を恐れる」とは、神を怖がるという意味ではなく、神を尊ぶという意味です。聖書には「主(神)を恐れることは知識の初めである」(箴言1:7)とあります。実際、モーセ自身が誰よりも神を恐れる人物でした。また、トップと現場のリーダーの志が一致していると、組織として最大限の力が発揮できるのではないでしょうか。
次に「力ある人々」「誠実な人々」とあります。能力は確かに必要です。しかし同時に「誠実」であることも重要な要素です。
現代経営学の父と言われるピーター・F・ドラッカーも、マネジャーに求められる根本的な資質として「誠実さ」を上げています。私たちも現場で働くとき、このことを実感するのではないでしょうか。
ドラッカーはクリスチャンで、彼の経営理論の原点には聖書がありました。聖書は単に道徳的な書物ではありません。私たちの幸せを願う神が、仕事、家庭、人生などあらゆる分野で人のあるべき姿を教えています。「主を恐れることは知識の初め」とあるとおりです。
(2013年2月24日発行)
Commentaires