4月も半ばが過ぎました。希望の職場で新しい生活をスタートさせている方の一方で、必ずしも希望した仕事につけなかったり、周囲の環境に不満を感じている方もいらっしゃるかも知れません。
先日の礼拝宣教で、人生のある時期につらい生活を送っていたヨセフという人物が取り上げられました。ヨセフは旧約聖書の創世記に登場する人物です。11人兄弟の末っ子として生まれたヨセフは、父の偏愛を受け、また生意気な言動のゆえに兄たちのねたみを買い、奴隷として売られてしまいます。
エジプトに売られたヨセフは、エジプト高官の家で信頼され責任を任されますが、そこでも人の悪巧みで、牢屋に入れられてしまいます。牢屋では収監されていた別のエジプト高官の役に立ち、釈放を依頼しますが、釈放された高官はヨセフのことを忘れてしまいます。
若いときの失敗があったとは言え、何度もつらい環境に置かれたヨセフ。しかし、ヨセフはそのような人生を人のせいにせず、いつもと変わらない態度で、神様に祈り、神様とともに歩む生活をしていました。神様はその背後で、ヨセフが神様と人々の役に立つ働きのための準備をしていたことが宣教の中で語られました。逆境の中で、若い時のヨセフの生意気な態度は改められていきました。
やがて、ヨセフはエジプト王が見た夢の意味を解き明かし、晴れ舞台に立った時、こう言います。
「私ではありません。神がパロ(王)の繁栄を知らせてくださるのです」(創世記41:16)
ヨセフはエジプトの宰相となり、人々を飢饉から救うことになります。
自分は神様の用に立つ器にすぎないと考え、成功したときは神様に栄誉をお返しする。そのような人を神は豊かに用いられることが語られました。一見して不遇と思われる環境にいるとき、周りのせいにせず、神に信頼して成長し続ける態度を教えられます。
(2013年 通巻94号)
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