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「世界を揺るがせた事件」


 今年もクリスマス・シーズンを迎えました。今年の重大ニュースは何と言っても、7月の元首相銃撃事件でしょうか。洋の東西を問わず、これまで多くの暗殺事件が起こってきました。世界史の中で有名なものの一つが、紀元前44年に起こったユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)の暗殺事件です。イギリスの劇作家シェークスピアも、この事件を巧みに描いています。


 古代共和政ローマの末期、カエサルはローマ内乱の勝利者として単独支配者となりました。しかし共和政ローマの伝統を破るものとみなされ、暗殺されます。その養子のオクタウィアヌスが、後継者となって、カエサルを名乗り、さらにはアウグストゥス(尊厳者)の称号を与えられました。皮肉にも共和政が衰え、帝政が確立することになったのです。以後「カエサル」は、ローマ皇帝の称号となり、ドイツ皇帝の「カイゼル」やロシア皇帝の「ツァーリ」の語源になっています。


 初代皇帝アウグストゥスの時代にイエス・キリストが生まれ、二代皇帝ティベリウスの時代にイエスが十字架で死にました。イエスを亡き者にしようとする反対者たちは、「カエサル(ローマ皇帝)に税金を納めることは、よいことなのか」という質問をして、イエスの言葉じりをとらえ、ローマの権威に引き渡そうと画策しました。「よい」と答えれば民衆の支持を失い、「よくない」と答えればローマ帝国に告発されることになります。

 しかしイエスはローマの銀貨にカエサルの肖像が刻まれているのを見せて、彼らに答えます。

 「では、カエサルのものはカエサルに、神のものは神に返しなさい。」

(ルカの福音書 20章25節)


 この言葉は「物はあるべき所に戻さなければならない」の意でも用いられます。確かに日本の硬貨にも「日本国」と書かれているので、日本国に返すと考えると税金の負担感が少しは減るでしょうか。そして世界が神によって造られたのなら、神のものは神に返すべき、ということになります。

 この後、カエサルへの反逆という名目で、イエスは十字架上で殺されました。この事件は世界を大きく揺るがすことになります。イエスは十字架につくため、クリスマスに生まれました。この時期、皆さんもクリスマスの意味について、思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。

(2022年 通巻437号)


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