ある大手企業で、コミュニケーション能力は不足しているものの、システム分野の能力は秀でている方を採用したという話題がニュースになっていました。適材適所の一例として読みました。
採用する側としてはなるべく多くの点で合格点の人を採用したいものです。問題解決能力に優れ、協調性があって、誠実で・・・。あげるとさまざまな点がありますが、中でも、コミニュケション力は大切な能力の一つであると言えます。先ほどの話題がニュースになること自体がそのことを物語っています。
しかし、生まれつきの性格もありますので、私のようにコミュニケーションが不得手な人は、大きなハンデを抱えているとも言えます。不得手な能力を発揮するよう求められ、ストレスを抱えながら挫折を繰り返す。そのうちに心の病を発症して、働くことが出来無くなれば社会的にも大きな損失です。
業種も組織もさまざまであれば、必要とされる能力も異なるはずです。その人の強みを生かし、弱さも強さも補い合って仕事が出来るような組織作りが出来れば、より多くの人を活かすことができるかも知れません。
しかし、実際は、人を活かし、人の幸せを中心にというよりは、組織の型に人をあてはめていくことの方が多いと思います。聖書にはイエス様の次の言葉が記録されています。
「安息日は人のために設けられたのです。人が安息日のために造られたのではありません。」(マルコ2:27)
安息日は、神様を礼拝するために仕事などを休む大切な日です。しかし当時の宗教指導者たちは、形式的に安息日を守るための規則を作り出し、人々の生活を窮屈なものにして、安息日の意味を損っていました。これに対し、イエス様は、安息日は人を愛する神様が、人の幸せのために造られたものであるとし、安息日の本来の意味を明らかにしたのです。
厳しい経営環境の中で、組織の論理を優先するのは、ある程度は仕方ないのかも知れませんが、組織のために人が存在するのではなくて、人の幸せために会社があると言える。そのような経営が出来ると素晴らしいですね。
(2023年 通巻442号)
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