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「人の心に寄り添うことの大切さ」


 新型コロナウィルス感染症が世界的に流行してから既に1年以上経ちますが、収束に成功した国もあれば、未だに収束が見えない国もあります。残念ながら日本は後者です。


 コロナ禍で社会の閉塞感が広がる中、人が周りに対して不寛容になり、コロナに感染した人に対する差別やいじめが起きています。いくつか例を挙げると、コロナに感染したことで近隣住民や職場から嫌がらせを受け、仕事を辞めたり、引っ越しを余儀なくされたり、医療従事者の子どもが学童保育や保育所で登園を断られたり、コロナ感染が出た小学校に通う子どもが塾でいじめを受けたりなど、胸が痛くなることばかりです。

 ある調査によれば、「コロナに感染するのは自業自得だと思うか」という質問に対して、「そう思う」と答えた人が日本は他国に比べて圧倒的に多かったそうです。この原因の一つは、「新自由主義」の下でいつの間にか日本社会に根付いた「自己責任」という概念ではないでしょうか。残念ながら、現政府のスローガンも「自助、共助、公助」と自助が最優先です。


 私は私立学校の教員をしていますが、私たちの学校では「他者を思いやること」を特に大切にしています。本校でも生徒がコロナに感染したり、教員の家族がコロナに感染したりしましたが、「他者を思いやること」を大切にしてきた教育のおかげで、そのような生徒や教員に対して、周りの生徒たちや職場の仲間たちは、心配したり気遣ったりすることはあっても、差別やいじめをするという発想は一切ありませんでした。

 聖書には「喜んでいる者たちとともに喜び、泣いている者たちとともに泣きなさい(ローマ人への手紙12章15節)」という言葉があります。ここにあるように、周りの人々の心に寄り添うことが、何よりも大切なのではないかと思います。もし、皆さんの職場や取引先で感染者が出た時には、同じようにその方々の心に寄り添って共に泣き、回復した時にはともに喜ぶならば、もっと生きやすい社会になるのではないかと思います。

(2021年 通巻401号)

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