春を迎えようとするこの時期は異動や転勤、また就職の時期です。新しい環境に期待している方もいらっしゃれば、自分の将来について不安を感じている方もいらっしゃると思います。
聖書の創世記には、イスラエル民族の祖先アブラハムが、自分のしもべ(部下)エリエゼルに語った言葉が紹介されています。
「私は主の前を歩んできた。その主が御使いをあなたといっしょに遣わし、あなたの旅を成功させてくださる。」(創世記24:40)
アブラハムは、息子の妻を探すために、エリエゼルを自分の生まれ故郷に遣わしました。遠い地に行き、主人の息子にふさわしい女性を見つけ出し、しかもその女性を連れてくるようにという、エリエゼルにとっては一見して難しい任務です。上記の言葉は、上司アブラハムがエリエゼルを励ます言葉です。
この言葉から2つのことを教えられます。一つは「主が・・・成功させてくださる」ということです。一見して困難な旅ですが、アブラハムは主(神)を信頼して部下を送り出しました。エリエゼルも主人の確信に満ちた言葉に大いに励まされたことでしょう。
もう一つは「私は主の前を歩んできた」という言葉です。これは上司であるアブラハム自身が神の言葉に従って歩んできたという意味です。
聖書によると、神様は私たち一人ひとりを愛してくださり、私たちが幸せな人生を歩むために必要な導きを与えてくださると教えています。しかし、日々自分勝手に生活していては、その導きを見失ってしまいます。
アブラハムは、目の前の状況に一喜一憂するのではなく、神に従って歩む日常生活の延長線上に、自分の将来を見ています。このアブラハムの態度を日頃から見聞きしていたエリエゼルも、主人の確信に満ちた言葉に大いに励まされて、主人アブラハムに素直に従うことができたのだと思います。
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(2013年 通巻 90号)
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