最近の傾向のようですが、私の職場でも、若手の離職率が高まっているということで、原因を探り、対策を立てることが始まっています。少子化により労働人口が減っている中で、優秀な人材を確保し続けることは組織の存続にも関わってくる大切なテーマです。
離職や転職の理由には、待遇面や人間関係、労働環境の厳しさなどの問題があるようです。ネットには転職の体験が多く掲載されています。その多くが失敗談です。転職によって人生が狂ったという体験を聞くと、職業の選択は、人生を左右する大きな問題と改めて思わされます。
聖書には、人にはそれぞれ神様からいただく人生の目的があると教えています。仕事が人生の目的とは限らないと思いますが、「天職」という言葉があるとおり、一日の多くの時間と労力を費やす仕事が人生の目的と一致しているの人は幸いだと思います。
かくいう私は、自分の仕事が、自分の人生の目的と一致しているか、明確ではありませんでした。自分に与えられた仕事のミッションは明確でしたが、それが自分の人生とどう関連するかよく分からなかったのです。そこで転職を考えたこともありました。
そうしているうちに大きなプロジェクトをまかされることになりました。前例のないプロジェクトにもかかわらず、自分には経験の浅い分野でした。早速、行き詰った私は、その分野の勉強を必死に始めました。その後、与えられた目の前の仕事を進める中で、その時の勉強が自分の基礎となり、強みとなり、その後のキャリアを形作ることになりました。
「天職」をすぐに見つける人もいるでしょう。一方で私のように職業人生の後半になって、やっとそれが分かってくる人もいると思います。職業の選択は人生を左右する大きなテーマです。待遇面や将来性などさまざまな要素を考えることはもちろん大切ですが、同時に神様からいただく、自分に固有のミッションは何か、慎重に思いめぐらすことも大切だと思います。
「人の心には多くの思いがある。しかし、主の計画こそが実現する。」(箴言19:21)
(2024年 通巻464号)
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