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「人知れず働くことの大切さ」


長年、機械系の仕事をしてきた私は、自分が選定し納めた部品が、今も無事に動いているだろうかなどと時々心配に思うことがあります。一つの仕事を完成させるために、会社のいろいろな組織と細かな連絡調整を行いましたが、その過程で、決して目立たないけれど「縁の下の力持ち」と言われる人達に助けられた事がありました。電子情報システムが高度に発達した現代社会であっても、組織を動かすのは意志を持った人の心であることは変わっていないでしょう。どんなに優れた電子機器であっても人の心の困窮は理解することができないはずです。


以前、新聞で、このような記事を目にしました。組織の上に立つ方が組織運営について語った言葉です。「これはあなたの仕事。私の仕事ではない」と言ってはばからぬ組織は脆い。だれの仕事でもないが、だれかがそっとやっておかねばならない仕事が、じつは全体を支えている。どこかに油断はないか?そんなふうに全体を案じる人がいるか否かが、組織の帰趨(きすう)を決める。」

聖書の中で、イエス・キリストの弟子の一人であった使徒パウロが、彼自身の働きによって立ち上げたピリピ教会の一致と励ましのために、獄中から送った手紙の中で、次のように語っています。


『何事でも自己中心や虚栄からすることなく、へりくだって、互いに人を自分よりもすぐれた者と思いなさい』『自分のことだけではなく、他の人のことも顧みなさい』  ピリピ人への手紙 2章3~4節


聖書は、職場や家庭、そして学校でも、一致を保つために重要な姿勢は、互いにへりくだって仕えることだと語りかけています。イエス・キリストは神としてのご自分の在り方を捨て、この世に降って私たちと同じ人間の姿を取り、へりくだって徹底的に仕える者となって下さったお方です。相手を尊敬し互いにへりくだって助け合う社会には、明るい希望があります。


けれども、そのような社会に中々なれない原因は「私達」の心の困窮です。イエスは私たちに、ただ良い見本を示してくださっただけではありません。今もなお、私達の心を変える力を与えようとしてくださっています。どうぞ、聖書を手に取ってお読み下さるようお勧めします。


(2017年 通巻281号)

 
 
 

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