2013年の内閣府調査によると、週休二日制の普及により、土曜日の労働時間は少なくなっています。けれども、週当たりの労働時間には、あまり変化がなく、1991年の週当たり労働時間は49.08時間でしたが、2011年は50.10時間でした。つまり、毎日10時間も働いている人が結構いるという事です。その理由は、土曜日が休日になった分、平日の労働時間にしわ寄せがきているからです。当然、睡眠時間や家族と一緒に過ごす時間も減ってきます(1)。残念なことに、長時間労働のせいで、仕事上の強いストレス等が心や身体の健康を害するニュースも目にします(2)。
仕事は、生活を支えるために必要ですが、こういった苦しい状況を自分で変えて行くのは簡単なことではありません。では、どのように対処していけば良いのでしょうか?
聖書の中の、ある人物の人生から学ぶことができると思います。この人物の名は、ヨセフです。彼の人生は波乱万丈でした。父親の愛を一身に受けたヨセフは、異母兄たちの嫉妬と憎しみを買い、奴隷としてエジプト王宮の侍従長に売られてしまいます。幸い侍従長の信頼を得て、仕事はスムーズに進みましたが、侍従長の妻のしつこい誘惑をはねつけたために、今度は彼女の恨みを買い、濡れ衣を着せられて、投獄されてしまいます。けれども、そこでも監獄の長に気に入られたことがきっかけで、最終的にはエジプトの宰相になりました。
ヨセフは何回も窮地に陥りましたが、その都度乗り越えられました。それは、「主がヨセフとともにおられた」からです。ヨセフは自分の闘志と力ではなく、神様から与えられた知恵と導きに頼ったのです。彼は、慈愛に満ちた神様が自分の行き詰った状況を全てご存知なので、きっと祝福があると信じていました。この強い確信を原動力として、窮地の中でも、彼を愛して下さる神様のために素直に働きました。
私達はどうでしょうか。労働環境や制度などを自分達で簡単に変えることはできませんが、苦境に耐え、乗り越える方法のヒントが、聖書の中には書かれています。あなたも一度、聖書のページをめくってみませんか。
(1) 1976年から2011年にかけて、男性は4.47時間減り、女性は3.05時間減少していることが分かりました。
(2015年 通巻210号)
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