「働く時間が減っても業績が上がる会社?」
- Masato Ujiie
- 2017年7月1日
- 読了時間: 2分
最近、「ブラック企業」という言葉をよく耳にする様になりました。企業の利益を優先するために、労働者に劣悪な勤務環境や過酷な労働を強いる企業のことです。この過酷な労働環境が問題となる中、「働き方改革」を実行し、労働環境を改善しているIT企業がありあます。
それは日本のIT業界で売上6位、従業員数1万1000人のSCSKという会社です。SCSKでは以前、月に残業100時間を超える社員が多く、深夜まで残業、中には会社に寝袋を持ち込んで寝る人までいました。そのような社員も今では残業時間が20時間ほどに減ったというのです。
でも、残業が減るということは、その分、全体の労働時間が減ることになるので、会社の業績が下がるように思えます・・・しかし、SCSKでは、社員の残業は極端に減っているのに、業績は逆に上がったというのです。どうしてなのでしょうか?
SCSKでは残業を減らすために、様々な工夫を取り入れました。その一つが残業を減らした分、報償金としてボーナスが上積みされる制度。残業を減らせばボーナスが増えるという前代未聞の制度です。“残業するのが当たり前”という社員の考えを“効率良く仕事をしよう”という考えに変えたのです。またSCSKでは、会議は立ったままで原則1時間。これによって、効率の悪いダラダラ会議はなくなったのです。
利益を上げることだけを考えていては、労働環境のことは後回しになりがちです。しかし、利益だけではなく労働環境を改善することを考えるどうなるでしょう?社員のやる気が上がり、少ない時間で同じ仕事がこなせたり、肉体的・精神的な健康の向上により仕事のクオリティーも上がり、新たなアイデアが出るきっかけになるのではないでしょうか。残業が減っても、ちゃんと今までと同じかそれ以上の仕事ができ、何より社員がイキイキ働くことができるのは素晴らしいことです。
「富を得ようと苦労してはならない。自分の悟りによって、これをやめよ。」(箴言 23:4)
利益優先をする会社が多い時代、もっと大切なものに目を向けるべきではないでしょうか?
(2017年 通巻280号)
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