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「利益にまさる誠実?」


今年の2月に報道されたことですが、皆様は浜田正晴氏のことをご存じでしょうか。オリンパスの社員の方で、9年前に、上司が取り引き先の社員を引き抜こうとしていることを知りました。それは、してはいけないことであると分かった浜田さんは、そのことを社内のコンプライアンス窓口に通報したところ、窓口の担当者は、浜田さんの名前と通報の内容を上司に伝え、その結果、浜田さんは経験のない部署へと異動させられた上、孤独な仕事があてがわれました。それに対して、浜田さんは、それが内部通報への報復で、不当な配置転換であると訴える訴訟を起こし、今年の2月の第2審で逆転勝訴を勝ち取りました。その後、インタービューされた浜田さんは、同僚が私と関わってくれなくなったこともあり、今後の昇進は期待できないと思っているが、オリンパスが大好きだからこそ、はっきりと正しい主張をすべきだと思ったと話しました 。

皆様は、浜田氏がしたことに対してどう思われるでしょうか。また自分が同じような状況に置かれたら、何をなさるでしょうか。「会社にとって一番良いことは何だろう?」、「自分にとって一番良いことは何だろう?」など、色々考えるのではないでしょうか。

聖書には、そのような選択をせまられた時の助けとなる、次のような言葉があります。

「貧しくても、誠実に歩む者は、富んでいても、曲がった道を歩む者にまさる。」箴言28:6

富よりも、利益よりも、誠実さが大切だと教えてくれる言葉ですが、それは現実的な言葉でしょうか。まず浜田氏の件に当てはめて、答えを考えてみましょう。本人のインタービューの言葉によると、経済的な損、人間関係における損はありましたが、そうして良かったと考えているようです。また、オリンパスが最初から誠実に対応したのであれば、このような悪い評判を受けることもなく、信頼を失うこともなかったはずです。そういう意味では、現実的な言葉でしょう。

最後に、神様の存在を覚えて考えてみましょう。最終的には、この世を支配しておられる神様が私たちの行動をご覧になっていて、誠実な心を持つ人を愛してくださるのです。もちろん完璧な人はいませんが、誠実な人は自分の欠点、過ちを素直に認めます。それを神様の前に認めると、神様の永遠の祝福がもらえます。その祝福は、この世にある富に大いに勝るので、先の聖書の言葉は、やはり現実的な言葉だと言えます。


(2016年 通巻232号)

 
 
 

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