新年度が始まって2か月が経過しました。先輩、上司という立場の方々は、自分の後輩や部下の育成状況が気になる時期ではないでしょうか。
人材育成は、組織にとって非常に重要です。生産性を上げ、組織目標を達成し、組織が将来的に存続し発展していくためには、効果的な人材育成が欠かせません。
私が人材育成に関し教えられてきたことは、後輩や部下の能力によって関与を柔軟に変えるということです。新入社員には、それこそ手とり足取りの細かな指示が必要ですが、中堅の人に同じことをすると、その人は意欲を失ってしまうでしょう。意欲も能力もある人には、思い切って仕事をまかせ、折々に報告させて必要な助言を与えるだけで十分なこともあります。
ところが、私には何でも細かく確認したいという性質があり、ついつい深入りして反省することがあります。でもそんなことを続けていたら、自分も疲れてしまいますし、人材育成の観点からも良いことではありません。
聖書には、多数の民を導いていたモーセというリーダーに、しゅうとが行った助言が記録されています。
「あなたはまた、民全体の中から、神を恐れる、力のある人たち、不正の利を憎む誠実な人たちを見つけ、千人の長、百人の長、五十人の長、十人の長として民の上に立てなさい。いつもは彼らが民をさばくのです。大きな事件のときは、すべてあなたのところに持って来させ、小さな事件はみな、彼らにさばかせて、あなたの重荷を軽くしなさい。」(出エジプト18:21、22)
ここには、どのような人が中間リーダーにふさわしいか。そのような人を見つけたらどのように組織運営をしていくと良いかが書かれています。
力があるだけではなく、誠実な人物であること、神様に従う人を見つけるように勧められています。ふさわしい人物を見つけた後は、その人たちに思い切って責任を委ねることです。そうすれば、リーダーはより自分のなすべきことに集中でき、次のリーダー層を育てることにつながっていくのだと思います。私も自分の性質を念頭に置きつつ、このアドバイスを生かしていきたいと思わされました。
(2022年 通巻426号)
Commentaires