先月のニュースでは、東大阪市にある近畿大学の入学式が報道されました。その理由は、音楽プロデューサー「つんく ♂」が昨年10月にがん再発を公表後、初めて公の場に姿を見せたからです。喉のがんに罹っているつんく ♂が治療を受けてきましたが、がんが治らず、結局声帯の摘出手術をすることになりました。その結果、声を失ったということが、式場でスクリーンに映されたつんく ♂のメッセージで示されました。「一番大事にしてきた声を捨て、生きる道を選びました」と語ったつんく ♂の言葉が私の印象に残りました。
「声は一番大事」、「声が私の命だ」と考えてきたつんく ♂ですが、危機的な状態に直面させられたときは、声より大事なことがあり、それは命であると気付いたようです。
一番大切であると思ってきたことが、実は一番大切ではないことに気付くことは難しいことです。つんく ♂はそのことを考えざるを得ませんでしたが、勇気を出して、結論に至りました。そうしてみると、良く働いている人、良く生きている人は、危機に直面しなくても普段から、自分が一番大事にしていることは本当に一番大事なのかと考える人であると思います。聖書では、一番知恵に富んでいる人と呼ばれるソロモン王が人生において何が大切なのかを時間と手間をかけて調べました。彼が思いめぐらしたことが「伝道者の書」という聖書の巻に残されています。
色々な局面で、「何が一番大事なのか」を考えることは有益なことです。自分の仕事において、何が大事なのかを知らないと、無駄に働く恐れがあり、優先順位を決めることもできません。また、一度このようなことを考えたとしても、前の答えが今も正しいのか、それに従って働いているのかを定期的に確認する必要があると思います。また、家庭生活の中で、一番大事なことを優先しているだろうかと考えてみたり、家族で話し合ったりすることは普段していないかもしれませんが、そうすることができたならばとても素晴らしいことではないでしょうか。人生において、一番大切なことを考えたいという方に、聖書にある「伝道者の書」を読むことをお勧めします。また、読んだことについて相談したい方は是非、HFBの聖書研究サービス(無料)を申し込んでください。(裏表紙やホームページ参考)
(2015年 通巻189号)
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