今は正に引っ越しシーズンですね。大勢のサラリーマンが辞令を携えて新しい職場へ移るからです。家族も一緒に引っ越す場合は、家族全員が新しい土地で新たな人間関係を築かざるを得ないことになり、転勤する側、受け入れる側の両方が緊張感を覚えるものです。
けれども、両方が緊張し遠慮すると、良い人間関係を築くことは難しくなります。この問題は聖書に扱われています。旧約聖書のレビ記19:34では、イスラエルの最初の法律にこう書かれています。「あなたがたといっしょの在留異国人は、あなたがたにとって、あなたがたの国で生まれたひとりのようにしなければならない。あなたがたもかつてエジプトの地で在留異国人だったからである。わたしはあなたがたの神、主である。」
現代の転勤に当てはめてみると、新しく入っていく人より、むしろ受け入れる側に責任があります。最初からその国に生まれ育った人にするように、新しい人にも積極的に関わる、すなわち、仲間として迎える事を勧めています。また、その命令は二つの理由に基づいています。一つ目は、イスラエル民族はある飢饉の時に、エジプトで在留異国人として新しく入って行くことの大変さを嫌と言うほど経験しました。ですから、受け入れる側に立った時は、その苦難を覚え、優しく接してあげるように言われているのです。皆さんも、様々な状況で、新しい人として入っていくことを経験していらっしゃる方が多いと思うので、良く理解ができると思います。
二つ目の理由は、「わたしはあなたの神、主である」ということです。神様ご自身がイスラエル民族をそのエジプトでの大変な状況から救い出してくださったので、イスラエル人はそれを覚え、神様が望まれるように動くべきなのです。今も、神様は私たちを在留異国人としてではなく、仲間として受け入れよう、迎えようとしてくださっています。この転勤の季節に、ご自分の会社や近所に転勤して来られた方を積極的に迎え、また、あなたご自身が神様の仲間へ異動することを考えてみませんか。
(2016年 通巻225号)
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