去年「やられたらやり返す、倍返しだ!」という言葉が流行語大賞に選ばれました。
そう言った言葉が流行する背景には、サービス残業や過度なノルマ達成、理不尽な事を言われるなどといった抑圧された職場環境の中で、感情の行き場を求めたい、何かスカッとする言葉によって鬱憤を晴らしたいという人が増えているからかも知れません。
聖書にはこのような言葉があります。
「悪を行うことは王たちの忌みきらうこと。王座は義によって堅く立つからだ。正しいことばは王たちの喜び。まっすぐに語る者は愛される。」(箴言 16:12-13)
「王たち」「王座」というのは、現在の私たちの社会にあてはめると、国や人々の上に立てられた権威、リーダーたちのことを指します。会社で言えば社長や上司がそれにあたります。それらの権威が「義」つまり「正義」によって成り立つことを教えています。
理想的な職場では、お互いが支え合い、助け合うことが出来、上司と部下との関係が良いと思います。しかし、全ての上司や部下がそのような態度を示すわけではありません。
「お前の代わりなんかいくらでもいる、辞めても良いんだぞ?」自分の権力を振りかざし、人を痛めつけ弱らせる上司。部下を思いやらず、とにかく酷使するような上司がいないわけではありません。
一方で、過酷な環境に置かれた従業員の中には、自分の待遇が良くないから仕事で手を抜いても良い、誰かがやるから自分はサボっても良いと考える人がいないわけではありません。「どうせ派遣だし、適当にやって良いんだよ、割に合わないし」
この従業員や先ほどの上司の言葉は私が実際に見聞きした言葉です。これらは上の聖書に書かれているような「正しいことば」でしょうか? 聖書はさまざまな立場にある人々に「正義」ある態度が必要であることを教えています。
全ての人が働きやすい、生き甲斐を感じて働ける環境というのが、今求められている事です。聖書のことばに照らしてご自分の行動を振り返ってみることをお勧めします。
(2014年 通巻149号)
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