芸能人が違法薬物所持の疑いで逮捕されたニュースが、昨年も話題になりました。新聞を読んでいると、ある精神科医のコメントに目がとまりました。~有名人による薬物使用について「プレッシャーから逃避したい人もいるのかもしれない」と推測。「処罰して終わりではなく、依存症という病気として捉え、治療する環境を整える必要がある」と話した。~(北海道新聞2019.11.17)
食べ物やスポーツ、映画や音楽などを適度に用いることができれば、いずれもストレス解消につながるでしょう。しかし、ストレス解消に用いるものを間違えると、依存症という問題が起こってきます。
薬物依存は犯罪なのか、病気なのか。立場によって見方が違うと思いますが、新約聖書に出てくる、姦淫(不倫)の場で捕らえられた女性の話を思い出しました。当時、姦淫の判決は、石打ちという死刑です。イエスを試すためにその女性を連れて来た宗教家に向かって、イエスは「あなたがたの中で罪のない者が、まずこの人に石を投げなさい。」と言われました。すると、彼らは返す言葉もなく去って行きました。そして、イエスはその女性に「わたしもあなたにさばきを下さない。行きなさい。これからは、決して罪を犯してはなりません。」と言われました(ヨハネの福音書8章11節)。
もちろん姦淫は罪として責められます。違法薬物の使用もそうです。これらは「頭では分かっていても止められない」という意味で共通しています。世の中ではついつい責め立てる方に傾きがちですが、ただ責めるだけで回復するわけではありません。回復には多大な労力と時間を要しますが、そのチャンスが与えられる必要があります。何度失敗をしても、「これからは、決して罪を犯してはなりません」とイエスは語り、回復のチャンスを与えてくれます。皆さんもぜひ聖書を読んで、イエスのことばに耳を傾けてみませんか。
(2020年 通巻384号)
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