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「基本の基に立ち返る」


 「おはようございます」「ありがとうございます」「お疲れ様でした」「失礼します」

 

 あなたは最近どんな挨拶を交わしたでしょうか。私たちの日常には様々な挨拶があります。挨拶が重要だということは、どの職場でも新入社員研修の時には教えられるものです。基本の基と言えます。ところが、時がたてば形だけになってしまうのも挨拶の特徴です。


 挨拶は、ただ言えばいいというものでもありません。挨拶をする先には相手がいて、相手とのコミュニケーションがそこで始まっているのです。挨拶一つで、仕事に対するモチベーションも変わります。

 「ちょうどそのとき、ボアズがベツレヘムからやって来て、刈る人たちに言った。『主があなたがたとともにおられますように。』彼らは、『主があなたを祝福されますように』と答えた。」(ルツ記2章4節)


 聖書の舞台にも、挨拶を交わすやり取りが記録されています。上記の箇所は、土地の所有者であるボアズという人物が、労働者である「刈る人たち」のところへとやってきた場面。日本ではあまりなじみのない、ちょっと変わった挨拶が交わされています。

 「主があなたがたとともにおられますように」「主があなたを祝福されますように」

 「主」とは聖書の神のことです。彼らは日常的に、このような挨拶を交わしていたようです。しかし、形式的な挨拶で終わるのではなく、相手を思いやる気持ちのこもったやり取りがそこにはありました。オーナーは労働者をねぎらい、労働者もオーナーを尊敬して神の祝福を祈っていたのです。その信頼関係は仕事の現場にも表れていた様子が描かれています。

 挨拶はほんの一言ですが、相手への労い、感謝、謝罪など自分の心を届けることができます。長く続くコロナ禍の影響もあって、マスクをしてのやり取りやテレワークでコミュニケーション不足に陥っている方も少なくないでしょう。人間関係が築けない職場では、仕事のモチベーションも下がりやすいものです。だからこそ、基本の基に立ち返って挨拶一つの中にも相手への思いやりを込めてみてはいかがでしょうか。一人で働いているのではないからこそ、そこにある人間関係を大切にすることをおすすめします。

 

 (2021年 通巻410号)


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