「ヴィクトール・フランクル」という精神科医のことはご存じでしょうか。フランクルはユダヤ人であるがゆえに、第二次世界大戦でナチによって強制収容所に入れられ、ひどい虐待を受け、強制労働もさせられました。ある時、彼が他の捕虜と一緒に重労働をさせられていたら、隣の捕虜に「僕たちの妻が僕たちを今見ることができたら…」と言われました。その短い、簡単な言葉に元気をもらった彼は、自分の妻を思い浮かべながら、苦役に耐えたようです。
戦後、フランクルは強制収容所での経験を振り返り、人間はどうしようもない、本当に絶望の状態に陥っても、「生きる意味」を発見できれば、それが乗り越える力となるのだと気付きました。フランクルは「生きる意味」を知ることが人間にとって欠かせないことであり、何よりも、「関係」と「愛」において、その意味を発見することができると教えるようになりました。
誰でも、仕事や毎日の生活に意味を感じない時があると思います。また、意味を作ろうとしても、中々できない時もあります。しかし、フランクルはあえて意味を作ることよりも「愛」と「関係」において意味を発見することを強調しました。もちろん、皆様はそういった「関係」においても、絶望を感じたことがあるかもしれません。
約3000年前に、偉大なリーダーであった「ダビデ」というイスラエルの王は、次のように語りました。「あなたの(=神様の)指のわざである天を見、あなたが整えられた月や星を見ますのに、人は何者なのでしょう。あなたがこれを心に留められるとは。人の子とは、何者なのでしょう。あなたがこれを顧みられるとは。あなたは、人を、神よりいくらか劣るものとし、これに栄光と誉れの冠をかぶらせました。」詩編8:4-5
ダビデは、神様の素晴らしさと力を考え、神様が人間を愛してくださっていることの不思議さを覚える中で人生の意味を発見することができました。神様が私たち一人一人に変わらない愛を示してくださっていることが、人生の意味を理解するための鍵です。永遠の神様が私たちの存在、日々の生活を大切に思ってくださっています。どうぞ、意味のある人生を「神様の愛」と「神様との関係」において発見して下さい。そのために、どうぞHFB聖書研究サービスをお役立て下さい。
(2017年 通巻279号)
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