我が家の各部屋や居間にカレンダーがいくつかあります。その中の一つに、北海道旭川出身のクリスチャン作家三浦綾子さんのことばの入ったカレンダーがあります。6月1日(土)の朝、5月のままであったカレンダーを、切り取って6月のものに変えました。満開の菜の花の写真を背景に、6月のことばとして、次のようなことばが目に入ってきました。6月いっぱい毎日このことばに触れることになったわけです。「神とは、この全宇宙を造られた方である。そして、私たち人間を造られた方である。」。
三浦綾子さんのことばを読みながら、聖書のことばを思い出しました。旧約聖書詩篇66篇は、このようなことばから始まります。「全地よ、神に向かって喜び叫べ。御名の栄光をほめ歌い神の誉れに栄光を帰せよ。」。
「全地」とは、神様に造られたすべてを意味しています。この詩篇の背景には、昔も今も、必ずしも、すべての被造物が、自分の造り主をほめたたえているわけではない、という現実があります。
多くの人は、大自然に魅せられます。太陽、夜空の月、星、世界の各地にある絶景と呼ばれる場所、無数の生物、また、政治、経済、科学、芸術、文学、など、人間の様々な営みがあります。ところが、すべての人が、そのすべてを造り、今もそのすべてを支えている創造者に目を向けるわけではありません。この詩篇では、「全地よ」と呼びかけて、神様が造られた「全地」を讃えるのではなく、その造り主をほめ讃えるように促しています。
私たちが、この世界にあるすべての良いものに関心を持ち、そのすべてを喜び楽しむことは、創造者である神様も願っておられると聖書は教えています。しかし、造られたもの、与えられたものにだけ目を注ぐのではなく、視点を変えて、造り主、与え主に感謝をする時に、新しい世界が開かれる思いがします。
(2019年 通巻360号)
Comments