3月26日に開業予定の北海道新幹線。最近、この新幹線車両の写真を新聞やポスターでよく見かけます。よく見ると先頭がアヒルのくちばしのような形です。なぜでしょうか?スピードを出すため?・・それも正解ですが、一番重要なのが“トンネル”対策です。昔の団子鼻をした新幹線が300kmものスピードでトンネルに入ると逃げ場を失った空気が圧縮され、トンネル内を伝わりトンネル出口で「ドーン」という爆発音がするのです。これではトンネル付近に住んでいる人はたまりません。新幹線が通過するたびに爆発音がするのですから。スピードを上げれば騒音が増し・・騒音を抑えるためにはスピードがだせない・・このトレードオフの関係の中で、JRは車両開発という形で、乗客サービス向上と住民の騒音問題を解決したのです。
JRが新幹線のスピードアップを進めたように、会社が今のサービスを向上させようとしたり、新な事業を始める場合、なんらかの犠牲が伴います。でも、大切なのはそこに関わる人達への配慮を忘れず、犠牲にしないことです。LCCの元祖と言えば、アメリカのサウスウェスト航空です。航空運賃を下げるためこの会社は何をしたでしょう?従業員の給料を減らしたでしょうか?いいえ・・様々なアイディアで対応したのです。例えば、通常航空会社は何種類もの機体を保有しています。でもこの会社はボーイング737の一種類のみ。こうすることで飛航空機の交換部品も全て共通で使え、部品代を抑えることができたのです。
新たな取り組みするときは利益だけでなく、まずは関わる人への配慮をする、という原則は、また、個人の生き方にも当てはまるのではないでしょうか。
「何事でも自己中心や虚栄からすることなく、へりくだって、互いに人を自分よりもすぐれた者と思いなさい。自分のことだけではなく、他の人のことも顧みなさい。」(ピリピ2:3〜4)
(2016年 通巻220号)
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