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「暗闇に輝く光」

 12月となり、一年で最も日の光の短い時期を迎えました。この時期はあちこちで、クリスマスのイルミネーションが灯されます。


 私が子どもの頃、家でもツリーが飾られ、イブにはクリスマスのごちそうが並びました。今でも良い思い出ですが、子ども心には少し疑問が残りました。「何でクリスマスをお祝いするんだろう・・・」 そんな漠然とした思いから、イブの日には、何となくテレビで放映される教会の礼拝を見ていました。そこに本物があるような気がしていたからです。

 今でこそ、クリスマスはイエス・キリストの誕生をお祝いする日と理解していますが、当時は意味がよく分からず、ごちそうを片付けた後は、何かむなしい気持ちになったことを覚えています。

 さて、最初のクリスマスを指し示す預言が聖書にあります。イエス様が誕生する約750年前にイザヤという預言者が次のように預言しました。

 「闇の中を歩んでいた民は大きな光を見る。死の陰の地に住んでいた者たちの上に光が輝く。ひとりのみどりごが私たちのために生まれる。ひとりの男の子が私たちに与えられる。・・・」(イザヤ9:2、6)

 この大きな光とは、世の救い主として誕生するイエス様のことを指しています。聖書は生まれながらの人は、そのままでは滅んでしまう、暗闇の人生を歩みながら、そのことに気づかないでいる存在であると教えています。

 「暗闇の人生」と言われると、自分はそんなことはないと思われるかも知れません。でもどうでしょう。自分の心の中をのぞいてみると、不平や不満、ねたみ、怒り、不安、尽きることのない欲望・・・そういった思いに支配されてはいないでしょうか。そこに本当の幸せはあるのでしょうか。

 自分の状態が絶望的であると知るほど、そこからの救いは偉大な光を見る思いでしょう。暗闇と光の対照。その対比の大きさを知るほど、クリスマスの喜びは大きなものになります。クリスマスのお祝いは、その喜びが外に現れたものです。

 クリスマスのイルミネーションは一時的に私たちの心を明るくしてくれるかも知れません。しかし、キリストが私たちに与えてくれる光は私たちの心を照らし、その喜びの光は決して消えることがありません。

 クリスマスのこの時期、教会ではクリスマスを記念した礼拝を行います。本当の喜びを見つけるために、ぜひ足を運んでみてください。


(2022年 通巻438号)


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