最近、仕事が山ほどあり、何から手を付けるべきか、また、どう決めれば良いのかを真剣に考えていたところ、このことわざが目に入りました。
「外であなたの仕事を確かなものとし、あなたの畑を整え、そのあとで、あなたは家を建てよ。」(箴言24:27)
これは、昔の農業社会からのことわざなので、今の時代に役立つのだろうかと思われるかもしれませんが、実は、優先順位を決める時の大きなヒントになります。ここでは、畑を整えること、すなわち、命を支える食べ物を作る事と、家を建てる事が対照的に挙げられています。住む所がなければ、家を建てる事を優先すべきだと思うかもしれませんが、家を建てても、食べ物がなければ、それは無意味なことです。ですから、まずは命に係わる食べ物を作り始め、その後、家を建てるという意味です。
現代社会に当てはめてみるなら、「私にとって『命に係わる』ものは何か」をまず考える必要があります。すなわち、今与えられている役割の中で、「それをしなければいつか組織全体が壊れる」事は何かを考え、それを優先するということです。他にも「家を建てる」ような、大切な仕事もしなければなりませんが、まずは、一番大切な『組織の命に係わる』ことをすべきです。私の場合、責任者として、同僚達が上手く仕事ができるようにすることだと分かりました。
また、この考え方は仕事だけではなく、人生そのものにも当てはめることができます。19世紀のイギリスの首相であったグラッドストンが、ある若者にキャリアについてアドバイスを求められたそうです。若者は大学で法学を学んだら弁護士になり、その後、政治家になりたいと言いました。そして「その後は?」とグラッドストンに聞かれた時、「引退して、楽しく過ごしたい」と答えたそうです。更に「その後は?」と聞かれた時の若者の答えは、「そこまで考えていません」でした。「そこまで考えていないなら、あなたは愚かな者です。もう一度、最初から考え直しなさい。」とグラッドストンが言ったそうです。すなわち、「家を建てる」事は、大切な働きですが、人生において最優先されるべきは、死後の行き先を考えることだ、とグラッドストンは考えたのです。命の最優先、また死後の行き先について教えてくれる聖書を、HFBスタッフと是非一緒に読んでみてください。ご連絡お待ちしています。
(2017年 通巻282号)
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