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「最後まで聞いて、深く考えよう」


ベトナム戦争時代の話を紹介したいと思います※。ドイツ生まれのコンラッド・ケレンは、ユダヤ人であったため、19歳の頃ナチスから逃げて、アメリカへ移民しました。第二次世界大戦後に、捕虜の取調官としてドイツへ派遣され、ドイツの兵士が戦い続けた理由を調べました。その後、欧州のラジオ局でソ連の亡命者を取材するようになり、「聞く」ことが中心の仕事を続けました。

ベトナム戦争のときには、捕虜を取り調べた情報を分析する仕事につきました。ケレンの上司はゴーレという方で、彼は、ケレンと同じ情報を分析し、ベトコンは士気喪失していて、アメリカはもう少し頑張ったら勝利できると結論を出しました。そして、繰り返し、その結論をアメリカの軍隊の指導者たちに伝えました。

しかし、ケレンは反対の結論を出しました。ベトコンは士気喪失しておらず、アメリカは戦争に勝つことができないとケレンは大胆に言いました。ケレンは、後に当時を振り返って述べています。あるベトコンの上級大尉に関する記録を読んだことが転機となったのだそうです。聞き取り調査の初め頃では、その大尉はベトコンが勝つかどうか聞かれ「いえ」と答えました。アメリカは勝つという結論に至りそうな答えです。けれども、時間の経過にともなって、大尉は「アメリカは勝てない」と言うようになりました。ケレンはその矛盾した答えを分析した結果を述べています。ベトコンは勝敗にあまり関心を置いておらず、勝敗に関わらず全力で戦うという考え方をしていることが分かって、そのような敵に勝つことは難しいと結論を出しました。

聖書の箴言18章13節はこう言います。「よく聞かないうちに返事をする者は、愚かであって、侮辱を受ける。」ケレンと同じように、最後まで聞いて、相手が言っていることをよく考えることの大切さを教えている言葉です。今週は、最後まで聞いてから結論に至ることをお勧めします。また、神様が語っていることをよく聞くために、HFB聖書研究(4回コース、無料)をお勧めします。


※この話は英国のBBCのホームページで公開されています。


(2013年 通巻107号)


 
 
 

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