先日、ラーメンに関する本を読んでいたら、ある有名ラーメン店のレシピが掲載されていました。そこには驚きの内容が書かれていたのです。まず、4種類の鶏・豚の骨から3時間かけて動物系のだしをつくり、昆布、さば節など6種類の素材から3時間以上かけて魚介系の二つ目のだしを作る。更に特別な醤油、塩など7種類の素材を混ぜ、炊いて醤油だれを作る。これを一定の割合で混ぜることで、やっとラーメンスープができるというのです。他にも・・チャシューや具材もつくります。ラーメン一杯を作るのにどれだけ大変がよく分かりました。
また、北海道には2100軒以上のラーメン店があると言われています。毎日1軒のラーメン店へ行っても5年以上かかる計算です。カレー店が約500軒、ハンバーガーショップが約200軒と比べるとその多さがわかります。
でも、どうしてラーメン店の店主はこれほど大変で、激戦の商売に挑むのか?
人気のラーメン店主が口を揃えて言っているのは・・「いつもラーメンでお客様が満足してほしい。本当に美味しいラーメを食べてほしい。」金儲け優先ではなく、食べに来てくれるお客さんのことを一番に考え、幸せになってほしいとラーメンを提供している。これが!商売の原点ではないでしょうか。
現在はどうしても、利益を最優先にしてしまう会社や商売が多いように思います。しかし、自分の利益より大切なのは、顧客の幸せ優先の発想でないでしょうか?自動車を最初に発明した人はどんな人も楽に移動できるという幸せを願っていたのではないでしょうか?カメラを最初に開発した人は、人の幸せを記録として残すことを願っていたのではないでしょうか?
利益ではなく顧客の笑顔、喜び、幸せを第一にするという考え・・ここに企業や商売の本当の原点があるように思います。
「それで、何事でも、自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい。」(マタイ7:12)
(2015年 通巻213号)
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