top of page

「本とペンが世界を変える」


ヨーロッパで起きているシリア・イラク内戦による難民の悲劇をメディアは伝えています。国境を地続きで生活するEU諸国の緊張感を私たちは実感することが難しいと思います。自国の紛争から逃れ他国で生きる希望を抱いて命懸けで逃避行する人々の姿に同情を覚えますが何も行動をしていない自分がいます。そんな或る日、新聞記事が目に留まりました。

2014年ノーベル平和賞受賞者マララ・ユスフザイさんのメッセージです。マララさんは「残念ながら世界は兵器にお金を費やし過ぎている。」と述べ、世界の軍事費の8日分で世界中の子供たちへの初中等教育の1年分になる」と指摘。過激派や紛争が生まれる背景は「多くは教育を受けておらず職がなく希望もない、だから彼らは銃を取る」と語っています。その前年の2013年7月、国連本部でマララさんは演説しました。「本とペンを手に取ろう。それが一番強い武器。一人の子ども、先生、そして本とペンが世界を変える、教育こそがすべてを解決する」マララさん自身が教育の機会を銃によって奪われそうになった経験から語られたメッセージには重い意味があり、私たちに平和行動の力と勇気を与えてくれるのです。

日本国民は2011年3.11に発生した大震災と津波被害の時にEU諸国や世界中から受けた愛の支援を忘れてはいません。それなら、今EU諸国で起きている悲劇に対しての人道的・経済的支援こそが日本が掲げる積極的平和主義ではないでしょうか。私たち一人一人に出来ることは何でしょう。たとえそれが小さくても行動することの大切さを、私たちは体験から学んで知っているはずです。

聖書には「あなたの隣り人(となりびと)をあなた自身のように愛せよ」という教えがあります。新約聖書ルカの福音書10章でイエス・キリストは「善きサマリヤ人」のたとえ話しを通して「神の愛」は具体的実践的な行動にあることを教えています。世界には戦禍に苦しみ愛も希望もなく虐げられた人々が沢山います。あなたの職場・家庭・地域で、あなたにとっての隣り人は誰ですか?今あなたの愛を必要としている人こそ、あなたの隣り人なのです。同情だけではなく同情を行動に現わす者こそ、善き隣り人です。聖書の神様は人を通して真実な愛を示して下さるお方です。


(2015年 通巻212号)

 
 
 

コメント


© 2018 札幌希望の丘教会. Wix.com

bottom of page