もうすぐクリスマスですね。クリスマスツリーをあちこちで見かけます。ツリーのてっぺんに星がついているのは、なぜだか、ご存知でしょうか。イエス・キリストが生まれた時、「東方の博士たち」にそのことを告げる星が現れ、彼らをユダヤ(現イスラエル)のベツレヘムまで導き、幼子イエスがいる場所の上で止まり、輝いていたからだそうです(マタイの福音書2章)。
この「東方の博士たち」についてはあまり知られていませんが、占星術の専門家であったようです。「東方」がどこかは、占星術が発達していたバビロニアか、あるいはアラビア、ペルシャなど諸説があります。それらの地方には、バビロン捕囚(紀元前586年)以来、ユダヤ的な影響が残っており、博士たちにもメシヤ(救世主)待望についてかなりの知識、あるいは信仰があったのではないかと言われています。当時のエリートたちが、わざわざ外国のユダヤまで出かけて行って、幼子を拝み、贈り物をささげるには、よほどの覚悟が必要だったことでしょう。
イエス・キリストが生まれた時、日本は弥生時代の中期頃。ユダヤから見て、さらに東の果て、日本にキリスト教が伝わったのは、それから遥か後の西暦1549年。フランシスコ・ザビエルが、戦国時代に鹿児島へ上陸しました。そのザビエル来日から3年後の1552年に、宣教師トルレスが山口の宣教師館に日本人信徒を招いて、クリスマスを祝ったとの記録があり、これが日本で最初のクリスマス祝会だそうです。
今や世界中で祝われているクリスマスですが、北半球では夜が最も長い時期でもあります。輝く星をたよりに、暗い道を旅してイエス・キリストにたどり着いた「東方の博士たち」。私たち日本人も「東方の博士たち」のように、ユダヤ人から見たら外国人ですが、外国人でもイエス・キリストの元に行ってもよいのです。暗闇の中に希望の光が差し込むようです。クリスマスはすべての人たちに開かれています。クリスマスはぜひ教会へお越しください。「この方にいのちがあった。このいのちは人の光であった。光はやみの中に輝いている。やみはこれに打ち勝たなかった。」(ヨハネの福音書1章4、5節)
(2014年 通巻257号)
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