今年の4月の労働省の発表によると、2015年度に過労死と認定された方々は、約1450人にものぼり、過去最悪の一年になりました。このニュースが報じられた時、労働省を初め、過労死対策を強化していくような発言が多数あったにもかかわらず、先月は電通社で過労死事件が起きてしまい、日本の残業構造に更なる注目が注がれています。
HFBのパンフレットやセミナーでも、労働時間の問題を扱い、「制度を変えるべき。会社は、被雇用者が会社で働くためだけの存在ではなく、家族や、仕事以外の生活があることを認識して経営する必要がある」と述べてきました。けれども、今、現実として「多くの残業をこなさなければ解雇され、生活不安に陥るのでは」という心配を抱えている方には、未だ見通しの立たない制度の見直しは間に合いません。ですから、今回は、今、辛い現実に直面されている方のために、聖書に書いてある三つの教えをご紹介します。
聖書の「伝道者の書」には、「ふたりはひとりよりまさっている。ふたりが労苦すれば、良い報いがあるからだ。どちらかが倒れるとき、ひとりがその仲間を起こす。倒れても起こす者のいないひとりぼっちの人はかわいそうだ」とあります(4: 9-10)。やはり、辛い時こそ仲間が必要です。でも、残業に追われる毎日の人は、友達との繋がりさえも失っていく恐れがあります。大変な毎日でも、大変だからこそ、今の状況を信頼できる人に聞いて貰うことが大切です。HFBでは、「聞き屋サービス」を無料で行っています。お役立て下さい。(詳細はHPをご覧ください)
また、聖書では、自分では話せない人に代わって、誰かが話すべきだとも教えています。(箴言31:8,9) そのような人が見つかれば助けになるでしょう。
最後に、あなたのすべての思い煩いを神様にゆだねることができます。このパンフレットを読んでいる「あなた」は、神様にとって尊い存在です。その神様をよく理解しているダビデという人が書いた詩です。「たとい、死の陰の谷を歩くことがあっても、私はわざわいを恐れません。あなたは私とともにおられますから。」(詩編23:4) 多くの試練に遭ったダビデにとって、神様が共におられることは大きな力となりました。神様があなたと共におられる方であることを是非HFB聖書入門で知って頂きたいと思います。
(2016年 通巻255号)
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