私は山登りにはまっています。昨年から健康のために登山をしてみたところ、とても楽しいことに気付き、今では毎週登山を楽しんでいます。北海道の4月から5月にかけての登山では、比較的低く雪が全くないところもあれば、標高の高い山になるにつれ、ベチャ雪や一面カチカチのアイスバーンになります。山によって雪の状況が大きく異なり、適した装備が必要になってきます。
少し溶けかかったベチャ雪の山を登山する場合、登山靴だけでは、雪に足が埋もれてしまい、非常に歩きにくく、体力も消耗します。そこで、スノーシュー(西洋かんじき)を装着し、歩行します。雪に埋まらないので、非常に歩きやすくなります。
一方、ベチャ雪よりもっと標高の高いところになると、気温が下がり、カチカチのアイスバーンになります。アイスバーンでは、足が埋まらないのですが、登山靴だけでは、滑って登る事ができません。そこで、アイゼンの出番です。アイゼンは、金属製の爪が付いいており、靴底に装着します。アイゼンを装着する事で、滑らずに歩行する事ができます。
スノーシューもアイゼンも大切な役割がありますが、向き不向きがあります。足が埋まるような場面で、アイゼンを付けても、あまり意味がありません。また、アイスバーンにスノーシューでは、かえって歩きにくくなます。役割にあった使い方をする事で、その性能が発揮されます。
このことは、社会において、上司が社員に適切な役割を与え、その個性を発揮させることに似ています。上司は社員の向き不向きも考えず、「何であいつは仕事ができないんだ」と嘆くのをよく聞きます。しかし、大切なのは、その社員の働きをよく見極め、大切な役割を見出すことではないでしょうか?
仕事は遅いけど、間違いは少ないので、売上や文書管理をする仕事に向いている・・、みんなと話をするのは苦手だけど、新しいことに興味があるので、開発や改善に関する仕事に向いている・・・といった具合です。
聖書にはこのような言葉があります。
「それぞれが賜物を受けているのですから、神の様々な恵みの良い管理者として、その賜物を用いて互いに仕え合いなさい。」(Ⅰペテロ4:10)
賜物とは個性と考えることもできます。神様は一人ひとりに、大切な個性をお与えになっています。まずは、社員の個性を生かす、大切な役割を発見してみてはいかがでしょう?
(2022年 通巻425号)
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