今回は、星野富弘さんの「空」(カリンの実)の詩を紹介いたします。
毎日見ていた空が変った
涙を流し友が祈ってくれたあの頃
恐る恐る開いたマタイの福音書
あの時から空が変った
空が私を見つめるようになった
あなたは最近「空」をゆっくり見上げたことがありますか。「見ていた空が変った」経験があるでしょうか。或は仕事が忙しくて、そんな時間や余裕はないでしょうか。
今年3月26日に北海道新幹線が開通します。テレビで放送される度に、現代はスピードの時代なのだとつくづく感じます。新型車両H5系に乗ってみたいと思います。一方で、時代の流れが速ければ速いほど、見えないものや隠された大切なものを見落とすことになるのではないでしょうか。徒歩や自転車でなら見ることができる道端の花や「空」も、スピードの速い車内では、脳裏に残ることはないでしょう。
星野さんは大けがをした時に、駆け付けてくれた友人が「ぼくにできることは、これしかありません」と届けてくれた聖書を、しばらくしてからお母様に開いてもらったそうです。そして出会ったのが聖書の一節でした。
人は生きていく上で、喜びもあり悲しみや苦しみもあって、それぞれの人生を歩むことになります。決して順境の時ばかりではありません。星野さんは続けます。「神を知らない者が人間の力では、どうにもならない窮地に陥った時、誰の名を呼んで助けを求めたらよいのでしょう。」
今年7月5日(火)~7月17日(日)に、大丸藤井セントラルにて「星野富弘・花の詩画展in札幌」が開催されます。ぜひ足を運んでくださり、星野さんが「あの時から空が変った」と記した聖書の世界に出会っていただきたいのです。
「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。」(マタイの福音書11章28節)
(2016年 通巻224号)
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