2月16日のパンフレットでは「聞き屋」のことを取り上げました。「聞き屋」とは、街の人の声をひたすら聞くという傾聴ボランティアのことです。「聞き屋」は聖書のことばから励まされています。
聖書には聞くことに加え、次の言葉があります。
「だれでも、聞くには早く、語るにはおそく、怒るにはおそいようにしなさい。」(ヤコブ1:19)
最近では阿川佐和子さんの「聞く力」という本がベストセラーになりましたが、仕事でも、人間関係でも相手の話をよく聞くことの大切さが語られます。相手の話をよく聞くことによって、その人の考えを理解したり、必要としていることに気づくことがあります。また相手を尊重しているという態度を示すことにもつながります。
しかし、私たちは「聞くには遅く」「語るにも、怒るにも早い」という態度をとってしまうことが多くあります。
実際の場面では、相手の話を聞けば聞くほど、その内容に問題を感じて何か言いたくなったり、時には怒りを感じることがあるかも知れません。
そのような中でも、この「聞くには早く」という言葉を実践するために、聖書の言葉によく耳を傾けることから始めてみてはいかがでしょうか。
聖書の言葉に耳を傾ける時、自分の高慢さや自己中心的な部分に気づかされることがあります。そのような中で、自分の本当の姿に気づく時、慎重に言葉を選ぶ「語るにおそく」、軽率に怒らない「怒るにおそい」態度が少しずつでも可能になってくるのではないでしょうか。
また、時には勇気を持って正しいことを語らなければならない時があるかも知れません。そのような時も聖書を開き、慎重に言葉を選ぶとき、軽率に話して失敗してしまうことからも守られるのではないでしょうか。人間関係の問題を避けるためにも、覚えておきたい聖書の言葉です。
(2014年 通巻135号)
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