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「良いわざに励むために」


 2017年度になりました。筆者が暮らす札幌市もようやく暖かくなりつつあります。春めくこの季節は職場では人事異動などで新しく配属された方や、新人を迎える季節ですね。

この時期の心がまえとして、以前に読んだパンフレットを思い出していました(2016年3月20日発行「古くて新しい転勤対策」・お読みになりたい方はこちらからご覧ください)。新しく職場に入っていく人より、むしろ受け入れる側に、その人を仲間として受け入れる責任があるというお話でした。新しい人を迎える側としてしっかりと準備をしなければならないと思わされます。

 私のところでは、新人には先輩を一人つけて育成しています。例年、この方法で大きな問題もなく育成できているのはありがたいことです。一方で、世間では、デキそうな後輩にはわざと仕事を教えないという風潮も一部にあると聞きます。このような風潮の問題点を考えてみます。

年功序列が崩れ、成果によって待遇が決まるという世の中では、自分が仕事を教えていた後輩が、いつの間にか自分の上司になるということもあります。そのような中では、自分のノウハウを他人に教えることによって、自分が不利になってはたまらないという心理が働くのかも知れません。

 確かに、私の中にもそのようなある意味で打算的な考えがないわけではありません。聖書にはこのような言葉があります。

 「神は、あなたがたを、常にすべてのことに満ち足りて、すべての良いわざにあふれる者とするために、あらゆる恵みをあふれるばかり与えることのできる方です。」(Ⅱコリント9:8)

 「良いわざ」は、楽にできるとは限りません。時に時間や労力といった犠牲(先ほどの例でいえば自分のノウハウを他人に教えること)が伴います。ここでは人が「良いわざ」に励むために、神様が「あらゆる恵み」を与えてくださることが約束されています。

 その恵みは必ずしも自分が願うような形のものではないかも知れません。しかし、私たちを愛して正しく導いてくださる方が与えてくださる恵みなので、その約束に信頼して「良いわざ」に励む者でありたいと願わされます。


(2017年 通巻270号)

 
 
 

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