インターネット大手の楽天は、この夏、社内で使用する言葉を全面的に英語に切り替えました。世界的な事業展開を進める上でも、英語でのコミュニケーション能力は必須と考えたようです。
確かに、人材、情報、資本など多方面でグローバル化が進む世の中で競争に勝ち残るには、大切な視点なのかも知れません。
言葉をTPO(時、場所、場合)に応じてふさわしく、正しく用いることは難しいものです。私たち日本人の間ですら、言葉の行き違いから誤解が生じてしまうことはしばしばあります。これが外国人との間になるとなおさらで、「異文化コミュニケーション」という言葉が示すとおり、言葉の背後にある文化を理解しないと、思わぬ失敗を招いたり、誤解を生んだり、場合によっては対立につながってしまうこともあるのではないでしょうか。
聖書は、歴史を通し世界中の人々が人生の指針にしてきた書物です。発行部数には諸説あるものの、ギネスブックには1815年~1998年の推定印刷部数が3880億冊とあり、世界で最も発行部数が多い書物として知られています。
そういう意味では、異文化を理解する目的で、聖書を読むというのは一つの有力な方法と言えると思います。しかし、このように聖書を世の中に数あるハウツー本の一つとして捉えるのは不十分です。なぜなら、私たちが聖書に向かう姿勢によって、聖書の内容に関する理解度は、まったく違ったものになるからです。
「もし、あなたが神を求めるなら、神はあなたにご自分を現される。」(Ⅰ歴代28:09)
私たちは、HFBの働きを通して、ビジネスに役立つ聖書の知恵を紹介しています。聖書の知恵が、単なるノウハウや格言というレベルにとどまらず、歴史を通し世界中の人々が人生の指針にしてきたように、このHFBの読者におかれましても、真に人生を切り開く力となり、歩むべき道を照らす灯となることを願っています。
(2012年 通巻 57号)
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