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「誰かに仕事を任せる前に」


最近イギリスへ行って参りましたが、イギリスにいる間、フォックス・ニュースというアメリカのニュース専門放送局での出来事がとても注目されていました。フォックス・ニュースのある番組で、テロの専門家であると言われていたエメルソンいう人がイスラム原理主義のテロ問題に関してインタビューされた際、次のように述べたのです。「イギリスの第二の都市であるバーミンガムにはイスラム教徒以外は立ち入ることができない、またロンドンのある所では、イスラム教の宗教警察がいて、イスラム教の服を着ていない人を狙撃し、重傷を負わせるなどの暴力を振っている」と。ニュース番組で、このような事実無根の妄言が流れたことに対して多くの反応があり、そのこと自体がニュースになっていました。エメルソンはその後、謝罪し、「ある人から聞いた事を信頼し、そのまま言ってしまいました」と弁明しましたが、今後二度とテロ専門家として、ニュースに出ることはないでしょう。この出来事を通して次の聖書の言葉を思い出しました。

「愚かな者にことづけする者は、自分の両足を切り、身に害を受ける。」(箴言26:6) 聖書の中にある「箴言」という章に書かれている一節です。「箴言」は何千年前に書かれたものですが、当時は、当然電子メールや電話もなく、車や電車もありませんでしたから、遠方の町のビジネス相手と連絡をとるには、とても時間がかかりました。ですから、その相手と交渉する場合は、自分の代わりに代理人を遣わし、その代理人の判断に交渉の内容を任せることしか出来ませんでした。ですから、この言葉の意味を説明しますと、「もし、その代理人が愚かな人であったなら、良い結果は期待できず、かえって、自分の損になるだけである。大事な役割を人に任せる時は、その人が信頼できるかどうか、その役割にふさわしいかどうかを予め確認しなさい」ということなのです。

「愚か」という言葉は、ただその人の能力や技術的な知識を指しているのでなく、その人の性質も指しています。聖書では、愚かな人の特徴はアドバイスや注意を受け入れられない、また神様に従わない人です。どんな職場ででも、人を信頼し、人に任せることがあります。この箴言の知恵を受け入れて、性質的にも、能力的にも、ふさわしい人であるかどうかを確認することが望ましいでしょう。また、あなた自身が信頼され、何かを任せられた時には、アドバイスや注意を受け入れよう、神様に従おうとしているでしょうか。


(2015年 通巻177号)

 
 
 

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