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「謙遜は栄誉に先立つ」


 新年度から早くも3か月以上が過ぎました。4月に採用された方々は、そろそろ仕事にも慣れてきた頃でしょうか。


 私の知り合いが、この時期は新人にとって最も注意すべき時期だと言いました。それは、仕事に慣れてくると次第にプライドが出てきたり、また、先輩に何度も同じくことを聞く遠慮から、中途半端な知識で対応しがちになるからだといいます。

 私もなるほどと思い、遠慮なく聞ける職場の雰囲気づくりに努めています。そのために、職場では年長者の部類に入る私が率先して、分からないことは周囲の人たちに遠慮なく聞くようにしています。


 私も4月に別の部署から異動してきました。分からないこともたくさんありますので、人に聞くというのは自分のためになっていますが、やはり若い人に聞くというのは心理的な壁があります。それは「プライド」という壁です。


 「人の心の高慢は破滅に先立ち、謙遜は栄誉に先立つ。」(箴言18:12)


 「プライド」は良い意味でも使われますが、ここでのプライドは「高慢」と言い換えることもできるでしょう。今回引用した箴言では「高慢」は破滅につながり、「謙遜」は栄誉につながるということが示されています。


 でもある人は言うでしょう。実社会では人生に成功し、周囲の人々を見下し、自信満々になっていながら、満ち足りた晩年を送っている人もいるではないか・・・。確かにそうかも知れません。でもそういう人々が真の尊敬を受けることはありません。周囲の人々が表面的には従っていても、心の中では嫌われていたら、悲しいことです。


 しかし、この箴言ではさらに深刻な警告をしています。最も大切な神様との関係で高慢になっていると、聖書の言葉に耳を傾けることができません。謙遜とは自己卑下とは違います。自分の正しい姿を認め、へりくだることです。

 人生でいくら成功しても、神様と正しい関係にならなければ、結局は「破滅」につながることが示されています。自己卑下でもない、高慢でもない、自分の本当の姿を知るために、聖書の言葉に耳を傾けてみませんか。

(2021年 通巻406号)


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