「帝国陸海軍は今八日未明、西太平洋において米、英軍と戦闘状態に入れり・・・」 この原稿が配信される12月8日は、今から73年前の1941年、日本が太平洋戦争に突入した日です。当時の軍の最高機関である大本営は、先の言葉で戦争突入を国民に知らせました。
この戦争が終わってから、今年で69年という長い年月がたちますが、私たちは未だに過去の戦争から自由ではありません。過去の悲惨な出来事へのわだかまり、敵意が未だに、傷つけられた側ばかりでなく、傷つけた側の国や人々の間にも残り、双方の感情に垣根を作っています。
しかし、このように過去に縛りつけられているのは、国のレベルに限ったことではありません。私たち個人も、過去の暗い出来事に縛りつけられていることがあります。人から傷つけられ、拒絶された経験、大きな過ち、人生の挫折、それらの経験から生まれた怒りや疎外感、劣等感はいつまでも残り、時に前進しようとする私たちの足を止めることさえあります。
過去を乗り越えられずに挫折する人、その反対に、過去を乗り越えようとするあまり、それが不健全なまでの出世欲や仕事中毒に転化する場合もあるかと思います。いずれも、自分の過去からの解放を経験していないと言えるでしょう。聖書にはこのような言葉があります。
「だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなりました。」(第2コリント5:17)
神によって、私たちはまったく新しい歩みを始めることができると聖書は教えています。私たちの過去は問題だらけだったかも知れません。しかし、私たちを愛する神様は、私たちの過去を赦し、忘れるばかりか、私たちを新しく造りかえ、新しい歩みができるように助けると約束してくださっています。
私たちはこの約束のもとに、過去を直視し、本当の希望のもとに新たな歩みを始める勇気を持つことが出来ます。
クリスマスはこの全く新しい希望を喜ぶ季節です。この時期、クリスマスの希望を共に味わってみませんか。教会では皆さまのお越しを心よりお待ちしています。(クリスマスのご案内は表紙をご覧ください)
(2014年 通巻171号)
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