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「高層ビル建て直しに見る闇」


 先月、札幌市内で建設中だった高層ビルにおいて施工不良が発覚し、法令基準が満たさないことから建て直しとなる事態が発生したとの報道がありました。調べに対し、規定とは異なるボルトが使用され、鉄骨の柱や梁には傾いている箇所も複数あったと言います。これまで築いてきたものを取り壊して建て直すという決断は、決して簡単なことではなかったと思います。工期も2年数か月遅れるようで、すでにその影響は多方面に広がっています。しかし、そのまま建設を続けていたら建物は建つかもしれませんが、強度などの基準を満たさない危険なものとなっていたことでしょう。

 

 その背景には、現場担当者の設計会社に対する虚偽報告もあったと言われています。調査を進める中でわかったことは、「社員が他の工程との調整で工期が遅れることを恐れ、数ミリ程度の精度不良なら品質上問題ないと考えた」という現場の声でした。虚偽報告そのものを重く受け止める必要がありますが、同時に、なぜそのようになったのかも十分に検証する必要があるでしょう。「工期が遅れることを恐れ」との社員のことばには、失敗とやり直しが許されない環境が目の前にあり、真実を告げられない苦悩があったことを想像します。


 失敗や過ちを犯そうと思う人はまずいません。しかし、失敗を全く犯さない完璧な人も残念ながらいません。入社したてであっても、勤続年数の多い方であっても、ふとしたことで思いもよらないミスを私たちは犯してしまうものです。肝心なことは、過ちを犯したときにどう行動するかでしょう。

聖書にはこのような一節があります。


 「自分の背きを隠す者は成功しない。告白して捨てる者はあわれみを受ける。」 (箴言28章13節)


 新年度が始まり、職場の顔ぶれも変わる季節になりました。一人一人が安心して働くためには、個人の失敗をみんなでカバーできるような環境が必要ではないでしょうか。失敗に対して非難を受けるしかない職場では、過ちを言い辛くなるものです。そして、犯してしまった失敗や過ちを隠す先に待っているのは、取り返しのつかない未来です。早い段階で周りに報告・相談し、一人で抱えることなくチームで対処できる環境を整えていきたいものです。


(2023年 通巻446号)

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