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「12月を駆け抜ける前に」


 2023年も残すところ、あとわずかとなりました。今年はどのような一年だったでしょうか。日本では、12月は「師走」と呼ばれます。その由来は諸説あると言われますが、普段は走ることのない僧侶の師匠が、お経を読むために東西を馳せ走る月というところからつけられたとも言われます。それほど12月は忙しいとされる時期です。年の瀬に向けて仕事も気持ちも慌ただしくなり、気がつけば年を越していたということもあるでしょう。


 教会ではこの12月にクリスマスを迎え、救い主イエス・キリストの誕生を記念すると共に、12月25日までの約4週間は「到来」を意味するアドベントと呼び、救い主の到来を待ち望む期間として大切に過ごします。今から約2000年前に救い主がこの世界に来られたことを語り継ぐ聖書は、その救い主が再び来られることをも教えています。慌ただしく過ぎ去る日常の中で、神の救いを思い起こしながら、やがてイエスが再びこの世界に来ることを待ち望み、希望を抱くのがクリスチャンの12月の過ごし方です。


 「あなたがたも耐え忍びなさい。心を強くしなさい。主が来られる時が近づいているからです。」(ヤコブの手紙5章8節)


 この世界の現実は、仕事に追われて一日を凌ぐのがやっとであったり、日々見聞きする戦争の報道や自然災害、様々な悲しい出来事に心が落ち込んだり、不景気の中で将来への希望を失ったりと明るい材料がなかなか見えにくいものです。時に目の前のことから逃れたくなり、何かに没頭しては現実逃避をしてしまいます。


 しかし、どんなに暗い世の中になったとしても、光は輝いていると聖書は語ります。悲しみを喜びに、嘆きを感謝に変える方がおられ、あなたにも力を与えると招いておられます。忙しさのただ中にあっても、そのような神がおられることを心に留めて頂けましたら幸いです。


 「しかし、主を待ち望む者は新しく力を得、鷲のように、翼を広げて上ることができる。走っても力衰えず、歩いても疲れない。」(イザヤ書40章31節)


(2023年  通巻463号)

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