「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」これは、太平洋戦争開戦時の連合艦隊司令長官 だった山本五十六の言葉です。
彼は圧倒的な国力の差があるアメリカとの戦争を回避しようとしていました。平和を願っていた彼の考えは「百年兵を養うは、ただ平和を守るためである」という言葉にも表れています。
その彼が、開戦時の指揮を委ねられたのは皮肉な話ですが、国が戦争に向かうと、短期決戦を狙い、航空兵力で連合軍に大きな損害を与えました。彼の優秀さに気づいていたアメリカは前線で彼の乗っていた飛行機を待ち伏せして撃墜しました。事実上の暗殺でした。
彼は情に厚く統率者としても部下たちから尊敬されていたようです。最初の格言は戦後から約70年たった今でもさまざまな組織で参考にされています。
さて、聖書の中でもイエス・キリストが人を導く見本を示しています。イエス様は言葉とともに実際の行動で人々を教えました。弟子たちと生活を共にする中で模範を示し、教え、励まし、弟子たちを人々に遣わしました。
聖書にはイエス様が実際に弟子たちの足を洗った出来事が記録されています。「それから、たらいに水を入れて、弟子たちの足を洗い、腰にまとっていた手ぬぐいでふき始められた。・・・主であり、師であるこのわたしが、あなたがたの足を洗ったのであれば、あなたがたもまた、互いに足を洗い合わなければなりません。私があなたがたにしたとおりに、あなたがたもするようにと、あなたがたに模範を示したのです」(ヨハネ13:5、14、15)
当時、人の足を洗うという仕事は召使の仕事とされていました。イエス様は自らへりくだる姿勢を示して、弟子たちに謙遜の大切さを教え、実際の行動を勧めました。
山本五十六は子どもの頃に教会に通い、聖書も読んでいたようです(注)。彼が聖書の言葉に影響を受けていた可能性もあります。
現代の私たちもイエス様の姿勢から教えられます。さらに今を生きる私たちのためには、聖書にあるたくさんの励ましの言葉が支えになります。難しい問題に直面した時は、どうぞ聖書を手にとって読んでみてください。聖書の入手方法や読み方が分からないという方は、表紙にある連絡先までお問い合わせください。
(注)鈴木範久著「聖書を読んだ30人~夏目漱石から山本五十六まで」
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